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成形マイスターのブログ

真空成形の試作で押さえておきたいポイント

真空成形の試作は、ポイントを押さえてうまく進めれば安価かつ短いリードタイムで行うことができます。また、試作から量産が流用して行えるのが大きな特徴と言えます。なぜなら、試作で使用した人工木型は、マスター型として量産時に使用できるからです。

このように便利な真空成形の試作ですが、試作品の製作工程や試作型の特徴を押さえて行わないとマスター型の不備等で量産時に不良が起こります。

そこで、当記事では真空成形の試作において試作型の特徴や試作を行う際の注意点を詳しくご紹介します。是非、最後までご確認頂き、試作品の発注の参考として、ご活用ください。

>>真空成形を成功させるポイントまとめ

 

Ⅰ.真空成形の量産と試作では、型が違う

真空成形の量産時の型は、樹脂型と金型の2つです。しかし、試作品の段階で量産型を使用すると型代が高く試作費用が高額になってしまいます。そのため、試作型に人工木型を使用しています。

人工木型は、小さいもので10万円以下で製作できます。試作品の納期に関しても型の製作を合わせて2週間程度で完成します。このように、真空成形の試作型は、安価・短納期で製作できます。

続いて量産型についてですが、樹脂型の場合は、先ほどの試作型をマスター型に使用し製作します。ここで、量産型が完成しても、試作型の役目は終わりでは無くNCトリミング用の受け治具として転用されます。このように、試作型は量産に移行しても量産型の製作やトリミングの受け治具に再利用ができるメリットがあります。

また、量産型と試作型の違いは、成形できるショット数とコストが異なります。成形できるショット数では、量産型の場合は、概略数千ショットまで製作できますが、試作型はせいぜい、10ショットが限度になります。コスト面では、量産型が小さい型で30万円ほど、試作型が小さい型で10万円ほどになります。

このように、量産と試作では型が変わってきますので、真空成形での試作の工法を押さえた上で試作品を発注する必要があります。下記では、試作時に伝えるべき情報をご紹介いたします。

 

Ⅱ.真空成形の試作時に伝えるべき情報

こちらでは、試作時にお伝えいただくとコスト面や納期面に関係する内容にもなってきますので、是非ご確認いただき注文時の参考にしてください。

 

①真空成形の用途に関して

用途に合う樹脂を選定し、型寸法を決めます。例えば、屋外環境で使用する製品は、耐衝撃性・耐候性が付与できるアクリル変性高衝撃塩ビなどが選定されます。選定された素材の収縮率に合った寸法の型を設計します。

>>真空成形で扱う樹脂材料の特性と最適な選定方法

 

②真空成形品の肉厚に関して

肉厚は、実際成形しなければ角確認できません。製品に求められる肉厚を達成するため、製品形状を考慮して、型の設計や使用材料の厚みを選定いたします。また、真空成形のメリットとして、型は1型でも数種類の厚みの材料で、試作することもできます。これは、射出成型などでは、不可能です。

 

③真空成形の仕上げ加工の箇所について

穴あけや接着は、別工程で施す必要があります。ちなみに、この工程にもコストがかかるため真空成形のみで真空成形では行えないため形状や肉厚を確認し、穴あけなどは、省いて試作のコストダウンを測ることも可能です。

上記が、試作時にお聞かせていただくポイントになります。この他にも、いろいろなケースが考えられますので、当社では、設計段階から打合せをさせていただき、最適なご提案をさせていただきます。

 

Ⅲ.真空成形の試作時の注意点

先ほどは、真空成形の試作において伝えるべきポイントを紹介いたしました。こちらでは、試作時の注意点を紹介いたします。

 

①特注の色の使用に関して

特注の色は、500kgや1tの発注が必要なので、試作では、市販の標準色で進めていただくことをおすすめしております。

 

②試作型で量産したい

人工木型は、脆く10ショット程しか製作できないので小ロットで完結する製品では、可能ですが、それ以上の量産品には向いていません。

 

Ⅳ.真空成形なら当社にお任せください

最後まで、お読みいただきありがとうございます。真空成形の試作工程の型や注意点に関して詳しく纏めてみましたが如何でしたでしょうか?

真空成形についてご質問やご相談ございましたら、是非プラスチック真空成形.comを運営する㈱松井製作所までお気軽にご相談ください。