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成形マイスターのブログ

大型真空成形品の成形時の注意点とは?

プラスチック真空成形・圧空成形はそのランニングコストの安さから、射出成形のような大量生産よりも多品種少量生産に最適なプラスチック成形方法の一つです。よってニッチな製品となる2mを超えるような大型製品を真空成形によって小ロットで生産する需要が一定数あります。では大型製品を成形する際にどのような点に注意する必要があるでしょうか?

 

 

材質、用途、形状によって何がより重要になるのかは変化しますが、大まかに2点注意する必要があります。

①外観

真空成形・圧空成形は材料にプラスチックの板材を使用します。製品が大きくなるほど、それにともない使用する成形型や板材も大きなものになっていきます。真空成形では型に材料が密着して形になりますので、成形型と板材の間に微小なゴミが入り込むことで製品が膨れたり、へこんだりします。外観不良の代表的な原因の一つです。製品の大小問わず起こりうることですが、大きくなるほど面積の広さからゴミが隙間に入りこむ可能性が高くなります。また、材料自体に異物が混入している場合もあるため成形前に材料不良がないかどうかよくチェックすることも重要です。

 

②形状

真空成形・圧空成形は材料を熱して柔らかくすることで成形した後、冷やして固めることで形になりますので、温度や冷却時間などパラメーターの管理が非常に大切になります。(管理パラメーターについてはこちらの記事でも触れておりますので、ぜひご覧ください。

(10mm厚ポリカーボネートの真空成形は、なぜ難しいのか?) 

 

パラメーターを間違えるとさまざまな不良が発生します。特に大型の製品となると形状を保つのが難しくなります。例えば温度管理が適切でない場合、厚みが均等になりません。また冷却が足りない場合、製品が反ってしまうことがあります。当然、小さい製品であっても同じく不良は発生しますが、大きくなるほど発生しやすくなります。

成形機のヒーターは板チョコレートのようにブロック状に区切られており、それぞれ部分的に加熱温度を変更することができます。製品が大きくなると、設定するブロックの数が多くなりますので、それだけ温度管理が難しくなります。よって製品の特性を理解し、適切な加熱バランスをすばやく見つけることが求められます。

 

プラスチック真空成形.comを運営する㈱松井製作所では大きな製品の場合、複数人体制で外観検査を実施し、不良率の低減に努めております。また、長年培ってきたノウハウ・経験を活かし大型な真空成形品であっても適切な成形条件をすばやく見つけてお客様に製品をお届けいたします。